雪山シーズンが到来し、「今年こそ雪山にチャレンジしてみたい!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
まずは低山から始めようと思いお店に行くと、軽アイゼンだけでも種類がたくさんありますよね。
どれを選べばいいのかお悩みの方へ、モンベルの軽アイゼンの違いや付け方を徹底的に解説します。
最適な軽アイゼンを選んで、雪山を楽しみましょう!
この記事を読むと
・軽アイゼンっていつ使うの?
・モンベルの軽アイゼン、どれを選んだらいい?
・軽アイゼンの付け方が分からん・・・
ということが分かります。
こんにちは、まめぞう(@mamezou_outdoor)です!
学生時代にワンダーフォーゲル部で山を始め、登山歴11年目になりました!
低山はオールシーズン、高山は夏~秋にかけてテント泊縦走しています。
スポーツ・アウトドアブランド向けに機能性生地を開発・販売する商社を経て、今は国内某アウトドアメーカーのスタッフです。
軽アイゼンっていつ使う?
軽アイゼン=冬山のイメージがあると思いますが、実は夏にも使うことがあるんです。
夏のアルプスに行ったとき、雪渓が残っていることがあります。
雪渓を通過する時に滑らないように、軽アイゼンを使います。
冬に軽アイゼンを使う場合は、低山メインでの使用をイメージしてください。
積雪量がそこまで多くなく、傾斜も緩やかな山で使用するのが軽アイゼンです。
積雪量が多くて、凍結個所もあって、傾斜も急な場所は12本アイゼンを使います!
モンベルの軽アイゼンの選び方を解説
イージースパイク
「イージースパイク」は山というより街中の凍結路面で使います。
野球や陸上のスパイクのように裏面に短い針がついているので、凍った道でもしっかりグリップしてくれます。
小さい方の円をつま先に入れて、後ろにグッと引っ張って装着するタイプです。
結構力がいるので女性はあらかじめ付けた状態で、靴を履いてもらうとよいでしょう。
針が小さいので積雪している山での使用はおすすめできません。
価格 | 2,090円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 130g |
対応サイズ | フリー |
グリップ力 | ★☆☆☆☆ |
品番 | 1129577 |
まとめると
・凍結路面用
・積雪している山での使用はおすすめしません!
チェーンスパイク
チェーンスパイクは靴の裏全面に爪が付いています。
そのためべた足で歩くフラットフッティングが苦手な方でも、滑りにくく安心して歩けます。
つま先から入れて、かかとに向かって後ろにゴムを引っ張るだけで装着できるんです。
ただしゴムの力が強いので、適応サイズギリギリで買ってしまうと、装着する時にかなりの力が必要になります。
注意ポイント!
靴のサイズが25.5cmの場合、MサイズでもLサイズでも装着できます。
ですがMサイズで選んでしまうと、付けるのに難儀します。
自分の靴のサイズが2サイズにまたがっている場合は、大きい方のサイズで選ぶのがおすすめです。
チェーンスパイクは爪の長さが他の軽アイゼンに比べると短いです。
なので積雪量が多いところで使うと爪に雪が付着して、雪団子になってしまいます。
そうなるとグリップ力がなくなってしまうので、雪の多いところでの使用はおすすめしません。
ちなみに2022年秋冬から軽量タイプの「チェーンスパイクL.W.」が販売開始されました。
爪の数が普通のチェーンスパイクより2本多いんですが、ゴムが薄いので耐久性は劣ります。
L.W.モデルは
・トレランをする人
・凍結している林道→雪の多い山岳地帯のようなルートで
チェーンスパイクと12本アイゼンを使い分けたい人
におすすめです!
初めてチェーンスパイクを買う方は、レギュラーモデルの方が長く使えるのでおすすめです。
価格 | 5,830円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 280g(S), 325g(M), 360g(L), 405g(XL) |
対応サイズ | S(20.5~23.5cm), M(23.0~26.0cm), L(25.5~28.5cm), XL(28.0~31.0cm) |
グリップ力 | ★★☆☆☆ |
品番 | 1129490 |
まとめると
・取り付け簡単なので初心者におすすめ
・積雪量が多いところではグリップ力が落ちる
スノースパイクシングルフィット
スノースパイクシングルフィットは4本爪の軽アイゼンです。
軽量・コンパクト性に優れるので持ち運びが苦になりません。
ただし爪先やかかとから踏み込んでしまうと、爪がないため滑ります。
地面に垂直に足をおろさないと爪が効かないので、フラットフッティングが苦手な方にはおすすめしません。
雪山で使うというよりは、夏のアルプス縦走中に雪渓があった時に一時的に使うのに適しています。
またお子様と雪山に行きたい方は、足が小さくても装着可能なので、お子様用に買うのもおすすめです。
価格 | 1,980円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 200g |
対応サイズ | フリー |
グリップ力 | ★★☆☆☆ |
品番 | 1129611 |
まとめると
・軽量コンパクト性に優れる
・爪のある範囲が狭いので、歩き方に気を遣う
コンパクトスノースパイク
「コンパクトスノースパイク」は4本爪の「スノースパイクシングルフィット」に爪が4本増えて8本になったタイプです。
4本爪よりもグリップ力は上がりますが、爪の範囲は依然狭いため、こちらの軽アイゼンもフラットフッティングで歩く必要があります。
4本爪よりもよりグリップ力が上がるので、お子様が低い雪山や夏の高山に行く時におすすめです。
価格 | 2,310円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 230g |
対応サイズ | フリー |
グリップ力 | ★★☆☆☆ |
品番 | 1129601 |
まとめると
・軽量コンパクト性に優れる
・4本爪よりもグリップ力は高いが、歩き方に注意!
スノースパイク6
「スノースパイク6」は6本爪でグリップ力が高いタイプの軽アイゼンです。
テープバンドで留めるタイプなので、収納性に優れます。
足裏の広い範囲に爪が付くので、しっかりとしたグリップ力が得られるんです。
やや積雪量の多い低山でも十分に使えます。
「これから雪山をやってみたい」という方は、まずこの「スノースパイク6」から始めてみると良いでしょう。
ただしテープバンドで留めるので、付け方がやや複雑です。
慣れてしまえば簡単ですが、慣れるまではテープが緩んだりして爪が効かなくなってしまいます。
最初は慣れている方と一緒に行って、チェックしてもらいましょう。
ちなみに取り付けが簡単な「スノースパイク6クイックフィット」という商品もあります。
プラスチックのベルトをラチェットバックルに通して、黒いバックルをカチカチ上げるだけで簡単に付けられるんです。
外すときは赤いバックルだけを上げれば、簡単にリリースできます。
ただ重量がテープバンドタイプよりも重たくなり(580g)、収納サイズも大きくなります。
「テープバンドは付けられる自信がない・・・」という方にはこちらがおすすめです。
価格 | 6,820円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 540g |
対応サイズ | フリー |
グリップ力 | ★★★★☆ |
品番 | 1129619 |
まとめると
・爪の範囲が広いのでグリップ力が高い
・テープバンドタイプは付けるのに慣れが必要
スノースパイク10
「スノースパイク10」はモンベルの軽アイゼンシリーズの中で最もグリップ力が高いモデルです。
かかとと爪先の広い範囲に長い爪が付くので、標高1,500m前後で傾斜があまりきつくない山であれば問題なく使えます。
フラットフッティングが苦手な方でも、さほど足の置き方を意識せずに使えますよ。
テープバンドで留めるタイプですが「スノースパイク6」よりも簡単です。
重アイゼンのような前爪が付いていますが、小ぶりなのでゲイターに引っ掛かりにくく、取り回しがしやすいです。
ただ注意しないといけないのは
前爪が付いてるから、これで冬のアルプスも行ける!
という訳ではないんです。
重アイゼンに付いている前爪は長いため、傾斜の急な場所でも爪先にグッと立ちこんで登ることができます。
ですが「スノースパイク10」の前爪は短すぎて、斜面に立ち込めません。
蹴り出ししやすくするための前爪なので、用途を間違えないように注意しましょう。
価格 | 9,900円(税込) |
重量(スタッフバッグ込み) | 620g |
対応サイズ | S/M, M/L, L/XL |
グリップ力 | ★★★★☆ |
品番 | 1129460 |
まとめると
・1番グリップ力が高い
・前爪が小さいので、冬のアルプスなど傾斜が急なところでは使えないので注意!
「とりあえずお試しで使ってみたい!」という方にはレンタルもおすすめです。
モンベルの軽アイゼンの付け方
チェーンスパイク
チェーンスパイクは靴下のように履いて装着します。
- 爪先に付いている細い金属の棒を、靴のソールとアッパーの接合部分に合わせる
- ラバーを爪先に掛け、そのままグッと後ろに引っ張ってかかとに付ければ完成!
最後にチェーンの緩みがないかどうかチェックしましょう。
かかと付近に緩みが生じやすいので、緩んでいる場合はかかとのゴムを上に引き上げれば解決します。
スノースパイクシングルフィット
スノースパイクシングルフィットは、かかと前部分の窪みに付けて使います。
逆に言えばかかと前部分に窪みがない靴には装着できません。
購入前に自分の靴には付けられるのかどうかチェックしてくださいね。
- 窪み部分にスノースパイクシングルフィットを合わせる
- 甲側でバックルを留めれば完成!
あらかじめラバーバンドの長さを自分の靴に合わせておくと、より付けやすいですよ。
スノースパイク6
スノースパイク6は付け方が少し複雑です。
スノースパイク6には左右があるので注意です。
クリップが足の外側にくればOKです。
- 後ろのバンドをかかとに合わせる
- テープを斜め下→横の順で通す
- クリップを開き、下から上へと押す
- クリップ上部の穴に通せば完成!
靴と軽アイゼンの間にすき間ができていないか、緩みがないか確認しましょう。
テープが長すぎる場合は、手袋を付けたままで軽アイゼンの付け外しができる長さを残してカットしましょう。
ライターで炙ってからハサミやナイフで切ると簡単です。
切った後のテープの末端はライターで軽く炙っておくと、テープ内の樹脂が固まって扱いやすくなります。
スノースパイク10
スノースパイク10も左右があるので注意です。
スノースパイク6と同じく、クリップが足の外側にくるように置きましょう。
- かかとを後ろのバンドに合わせる
- テープを爪先のバンドに通す
- クリップを開き下から上へテープを通す
- クリップ上部の穴に通せば完成!
テープを爪先のバンドに通すときは下から上に通すと緩みにくくなります。
スノースパイク10は靴のサイズによって、軽アイゼンの長さを合わせておく必要があります。
真ん中にあるプレートの穴の位置を変えれば長さ調節ができるので、山に行く前に合わせておきましょう。
軽アイゼンのお手入れ方法
軽アイゼンを使った後、まずやるべきことはしっかり乾かすことです。
水分が残ったままだと爪が錆びてしまいます。
錆びてしまうとその部分に雪が付きやすくなり、歩いている間に雪団子ができてしまいます。
爪の周りに雪が付いたまま歩いてしまうと、グリップ力が失われて滑ってしまうんです。
なので雪団子防止のためにも、錆びさせないようにしましょう。
乾燥するステップの前に軽アイゼンに付いた泥を落としておくと、二度手間になりません。
もし爪が錆びてしまったら紙やすりで磨いてあげると、錆が落ちますよ。
私は#240→#400の順で仕上げています。
また爪が丸まってきたなと思ったら、やすりで研いであげましょう。
爪に対して平行にやすりを当てて研ぐと良いです。
シーズン終わりにはシリコンオイルを塗って錆止め対策をしておきましょう。
小さい刷毛で塗るタイプが細かいところも塗りやすくておすすめです。
モンベルの軽アイゼンで楽しい雪山登山を!
モンベルの軽アイゼンを徹底解説しました。
雪山は無雪期とは違う山の楽しみ方ができますよ。
安全に楽しむためには、軽アイゼンは必要不可欠なギアです。
自分に合った軽アイゼンを選んで、冬の山を楽しんでくださいね。
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