今回の記事では冬山デビューでまずゲットすべきアイテム、軽アイゼンの特徴を解説します!
ただ1口に軽アイゼンと言っても多くのブランドが出しているので、今回は比較的入手しやすいモンベルの軽アイゼンに絞って紹介していきます。
この記事を読むと
- そもそも軽アイゼンとアイゼンって何が違う?
- 軽アイゼンで行けるレベルの山は?
- 自分に合う軽アイゼンの選び方は?
が分かります。
こんにちは、まめぞう(@mamezou_outdoor)です!
学生時代にワンダーフォーゲル部で山を始め、登山歴12年目になりました!
低山はオールシーズン、高山は夏~秋にかけてテント泊縦走しています。
スポーツ・アウトドアブランド向けに機能性生地を開発・販売する商社を経て、今は国内某アウトドアメーカーのスタッフです。
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アイゼンと軽アイゼンの違いは?
アイゼンと軽アイゼンの一番分かりやすい違いは、前爪があるかないかです。
10本・12本爪アイゼンは前爪があるので、雪が凍っているアイスバーンや岩場、傾斜の急な山頂直下で爪を蹴りこんで登れます。
一方軽アイゼンは前爪がなく、アイゼンの爪が足の裏にしかないため、常に足の裏を地面に接地させる歩き方が必要になります。
また爪の長さもアイゼンと軽アイゼンで異なります。
爪の長さが長いアイゼンの方が、軽アイゼンに比べてグリップ力が増すんです。
ただ取り回しはしにくくなります。
雪山デビューなら軽アイゼンで行けるところを選んで、慣れてからアイゼンにステップアップしていくと良いです。
ざっくりまとめると…
特徴 | グリップ力 | 取り回し | |
アイゼン | 前爪がある 歯が長い | ◎ | △ |
軽アイゼン | 前爪がない/短い 歯が短い | 〇 | 〇 |
軽アイゼンで登れる山の目安は?
アイゼンを使うか軽アイゼンを使うかは、登る山に応じて選びましょう。
樹林帯を超えない低山であれば、チェーンスパイクや6本爪の軽アイゼンで事足ります。
関東の丹沢や奥多摩、関西の六甲山など積雪量が少ないところは軽アイゼンで十分です。
また南八ヶ岳の赤岳に行くような場合、美濃戸から行者小屋までは傾斜が緩い林道が続くためチェーンスパイクが使いやすいです。
行者小屋から先、赤岳にアタックする場合は12本爪アイゼンに履き替えましょう。
北八ヶ岳に行く場合は、10本爪の軽アイゼンか12本爪アイゼンがあると安心です。
山頂直下がやや急傾斜になるため、グリップ力が大きくなる爪の本数が多い物を選びましょう。
谷川岳や鳥取県の大山以上のクラスになってくると、本格的な10本爪か12本爪アイゼンが必要になってきます。
基本的には爪の本数が多い12本爪を選ぶのが良いですが、靴のサイズが小さい方は合わないことがあるので、10本爪で行きましょう。
ざっくりまとめると…
低山 1,500m以下 | チェーンスパイク 軽アイゼン | 丹沢 奥多摩 六甲山など |
中山 1,500~2,000m以下 | 10本爪軽アイゼン 12本爪アイゼン | 北八ヶ岳など |
中山 傾斜が急なところ | 12本爪アイゼン | 谷川岳 大山など |
高山 2,500m以上 | 12本爪アイゼン | 赤岳 北アルプスの山々 |
冬山デビューにおすすめしたいモンベルの軽アイゼン3つ
チェーンスパイク
モンベルのチェーンスパイクは他社と同じく、ゴムを引っ張って靴に装着するタイプです。
現在2種類ラインアップされていて、1つはノーマルモデルでもう1つはULモデルです。
ULモデルはその名の通り軽量性に優れますが、ラバーバンドの厚みがノーマルモデルに比べて薄くなっています。
そのため強度が劣ります。
冬の低山でスピードハイクやトレイルランニングをする方におすすめです。
ただ低山登山やハイキングで使用して軽さにこだわらない場合は、同価格で強度も強いノーマルモデルを選ぶのが良いでしょう。
爪先にゴムを掛けて後ろに引っ張ることで靴下を履くように装着ができるため、初心者の方におすすめです。
夏山高山で万が一の雪渓に備えての使用もできるので、冬に樹林帯を超えない低山登山のみ楽しみたい方は1つ持っておいて損はありません。
サイズを選ぶときに自分の靴のサイズが2サイズにまたがっている場合は、大きい方のサイズを選びましょう。
小さい方のサイズを選んでしまうと、ゴムを引っ張り上げるのにかなりの力が必要です。
モンベルチェーンスパイクのポイント
・レギュラーモデルとULモデルがある
・ULモデルは軽いが強度が劣る
・装着方法が簡単!
・夏山高山の予期せぬ雪渓への備えにも◎
メリット
- 装着が簡単
- 軽い
- 足裏全体に爪があるので、軽アイゼン初心者でも扱いやすい
- 夏山高山の万が一の雪渓にも使えて便利
デメリット
- 付けるのに力が必要(女性は特に慣れが必要)
- 爪の長さが短いのでグリップ力は弱い
スノースパイク6
モンベルの「スノースパイク6」は6本爪の軽アイゼンです。
チェーンスパイクに比べて爪の長さが長いので、グリップ力に優れます。
テープバンドを使って装着するので慣れが必要です。
ですが万が一テープが切れてしまっても、モンベルの店頭でスペアを購入できるので長く使えるのがポイントです。
「スノースパイク6」に付いているプレートは「アンチスノープレート」と呼ばれ、凹凸のある形状になっています。
プレートに凹凸があることで軽アイゼンに雪が付着して、雪団子になるのを防いでくれます。
樹林帯を抜けない冬の低山で、チェーンスパイクよりもグリップ力が高いものを求める方には「スノースパイク6」がおすすめです。
また夏の白馬大雪渓でもしっかりとグリップしてくれるため、雪山低山と白馬岳を目指す方は6本爪を買っておくと便利です。
ちなみに2023FWシーズンから色が青からオレンジに変更されています。
純粋に色の変更だけで、「軽くなった!」とか「強度が増した!」という訳ではないので、青色のモデルをお持ちの方は買い替えを考える必要はないです。
スノースパイク6のポイント
・グリップ力に優れる
・雪団子になりにくい形状
・樹林帯を抜けない冬の低山での使用が◎
・夏の白馬大雪渓にも使える
メリット
- チェーンスパイクよりもグリップ力が高い
- コンパクトに収納できる
- 夏の白馬大雪渓でも使いやすい
デメリット
- テープバンドタイプなので装着に慣れが必要
- 足の裏全面に爪がないので、フラットフッティング歩行必須
スノースパイク10
モンベルの「スノースパイク10」は、モンベルの軽アイゼンシリーズの中でもっともグリップ力が高いモデルです。
爪先とかかとの両方に爪があるので、「スノースパイク6」ほど歩き方を気にする必要がありません。
つま先部分とかかと部分を繋ぐジョイントパーツは、12本アイゼンに使われているものに比べて柔らかくなっています。
そのおかげで3シーズン用のソールが柔らかい靴にも装着できます。
装着はテープバンドでつけるタイプなので、慣れは必要です。
ですが慣れてしまえば2,000m以下の傾斜が急でない山であれば、オールラウンドに使える便利な軽アイゼンです。
「スノースパイク10」には前爪が付いていますが、12本アイゼンほどの長さはないので蹴り込みはできません。
あくまでも蹴り出しをサポートするものなので、「スノースパイク10」で谷川岳など傾斜が急な場所や、岩場のある山に行かないようにしましょう。
スノースパイク10のポイント
・軽アイゼンの中で1番グリップ力が高い
・2,000m以下の傾斜が急でない山ならオールラウンドに使える
・前爪は蹴り込み用じゃないので使用シーンに注意!
メリット
- モンベルの軽アイゼンシリーズの中でもっともグリップ力が高い
- かかと、つま先に爪があるので雪山初心者でも歩きやすい
- ジョイントパーツが柔らかいので、ソールが柔らかい3シーズン用の登山靴にも装着可能
デメリット
- 軽アイゼンなのに重い
- テープバンドでの装着に慣れが必要
軽アイゼンのお手入れ方法
軽アイゼンのお手入れのポイントは、この2つです。
- 土などの汚れを残さないこと
- しっかり乾燥させること
泥汚れが付いたままにしていると、軽アイゼンの爪が腐食してしまいます。
またしっかり乾燥させてから収納しないと、錆びる原因になってしまいます。
錆が付いた軽アイゼンで雪山に行くと、錆部分に雪が付着して雪団子ができるんです。
雪団子に邪魔されて爪が効かなくなってしまうので、雪団子防止のためにも錆させないようにしましょう。
お手入れする時は下記の3つのポイントを実践してみてください。
- 使用後は毎回泥を洗い落とし、しっかり乾燥させる
- シーズン終わりにシリコンオイルなどの錆止めを注す
- 爪の先が丸くなっていたら、ヤスリで研ぐ
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用途に合った軽アイゼンで楽しく安全な雪山デビューを!
モンベルの雪山デビューにおすすめの軽アイゼンを解説しました。
3種類解説しましたが、それぞれグリップ力や装着方法、重量が異なります。
軽アイゼンは1つ持っておけば冬の低山から、夏のアルプスにも使えるので、まず自分が行ってみたい山に合わせて選びましょう。
その後雪山にハマってきたら12本爪の本格的なアイゼンを購入するのがおすすめです。
自分にぴったりの軽アイゼンを見つけて、雪山デビューを楽しんでください。
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