【登山】上手な服装選びで登山を快適に!レイヤリングの方法

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レイヤリングとは?

登山の服装の基本は「レイヤリング」という重ね着です。レイヤリングはざっくり「ベースレイヤー」、「ミッドレイヤー」、「アウターレイヤー」の3つに分かれます。
各レイヤーに役割があり、その役割に応じた機能を持つウェアを各メーカーが出しています。それぞれの役割と、おすすめ商品を紹介します!

ベースレイヤー

ベースレイヤーは肌に一番近い部分に着る、いわゆる肌着です。ベースレイヤーを選ぶときに重視すべきポイントは、吸水性と速乾性です。
歩いている間にかいた汗をすぐに吸収して、インナー自体もすぐに乾いてくれることで、常に肌をドライに保ち、汗冷えを防ぎます。速乾性のあるポリエステルや、保温性+速乾性を兼ね備えたウールを使用したものが多いです。


ただ、アウトドアメーカーが出しているインナーはお高いですよね。「秋山や冬の低山に行く時、UNIQLOのヒートテックではだめなの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。ヒートテックは確かに温かいのですが、活動量の多い登山向きではありません。


理由としては、素材にレーヨンが使用されているからです。レーヨンは木材パルプを原料とする化学繊維の一つで、肌触りを良くするというメリットがあります。レーヨンは繊維の中に水分を多く取り込むことができるため、インナーとして使用していると吸った汗がなかなか乾かず、汗冷えを起こしてしまいます。


大量に汗をかく登山でヒートテックを着ると、なかなか汗が乾かず、体を冷やしてしまいます。普段着としては寒い時期に大活躍してくれますが、登山など活動量の多い場面での使用は控えた方が良いでしょう。

ベースレイヤーのおすすめ商品

MILLET ドライナミックメッシュ

まず、MILLETのベースレイヤー、「ドライナミックメッシュ」を紹介します。一見スケスケで着るのは恥ずかしいと思われる方もいるかもしれませんが、汗をかいても不快な蒸れを感じず、常に肌をドライな状態にキープしてくれるすごいヤツなのです!


ドライナミックメッシュの素材は、ポリプロピレン66%、ナイロン28%、ポリウレタン6%を使用しています。このポリプロピレンが汗冷えを防いでくれるのです。ポリプロピレンは軽量で疎水性(=水を吸わない)が高く、熱伝導率が低い繊維です。吸水性がないため濡れてもすぐに乾き、熱伝導率が低い分、保温性もあります。


また、かさ高のメッシュに編みあげられているので、肌にあたる面積が少なくなり、肌面の冷えを防ぎます。汗はメッシュを抜けて上のベースレイヤーに吸水されます。

mont-bell ZEOLINE(ジオライン)

続いてモンベルのZEOLINEを紹介します!ZEOLINEはポリエステル100%で作られており、吸水・速乾性に優れます。このベースレイヤーは、繊維の1本1本に親水加工を施しており、保水しないコア部に親水加工された糸が巻き付いています。この繊維が汗を素早く吸収、広範囲に拡散・速乾させてくれるのです。


さらに、ジオラインは保温性も兼ね備えています。ストレッチ性のある糸をコアとし、その周りをスパン糸(短繊維)が包み込んでいるので、糸の内部に空気層を作ることができ、その空気層が断熱材の役割を果たしてくれます。(※ライトウェイトモデルのみ)


また、2枚の生地を隔壁でつないだボックス構造を採用しており、その壁と壁の間に空気を含ませることによって、保温効果を生み出しています。(※ミドルウェイト、エクスペディションモデルのみ) モンベルのホームページに詳しい情報が載っているので、参考にしてみてください!


ZEOLINEはライトウェイト、ミドルウェイト、エクスペディションの3タイプの厚さがあります。自分の体質や登る山、季節に応じて使い分けると良いでしょう。もちろん、普段使いのインナーとしてもオススメです!

ミドルレイヤー

ミドルレイヤーはざっくり言うと、行動中に着る「行動着」と休憩中など止まっている時に着る「保温着」のことを言います。先ほど紹介したベースレイヤーの上にTシャツや山シャツを着用し、その上に着るものがミドルレイヤーです。

ミドルレイヤーには、ベースレイヤーが吸水してくれた汗を素早く吸って、乾かしてくれる吸水性、速乾性と防風性、保温性が求められます。また、暑い時期の山頂などでアウター代わりに使用することもあるので、小雨程度なら凌げる撥水性もあるとより良いですね。

具体的に言うと、ウィンドブレーカー、中綿ジャケット(インサレーションジャケット)、ダウンジャケット、フリースなどがミドルレイヤーに該当します。

ミドルレイヤーのおすすめ商品

PATAGONIA R2ジャケット

パタゴニアのR2ジャケットは、軽量・コンパクトでありながらも、高い保温性を持つジャケットです。R1に比べて保温性が高いので、夏の高山での保温着として、雪山での行動着として着ると良いでしょう。

毛足の長い生地が繊維と繊維の間に空気を蓄えてくれるため、その空気が断熱材としての役割を果たしてくれます。また、サイド部分には本体部分と異なる生地を使用しているのもポイントです。
この部分に使用されている生地をグリッドフリースと呼ぶのですが、ここから内部の蒸れが抜けてくれ、ウェア内を快適な状態に保ってくれます。

スリムフィットで、中間着として着ればアウターに響かず、アウターとして着ればスッキリしたシルエットで着こなせるので、街着としても活躍します!

mont-bell U.L サーマラップパーカ

モンベルのU.Lサーマラップパーカは、ストレッチEXCELOFTという化繊綿を使用したインサレーションジャケットです。繊維同士が複雑に絡み合ったモンベル独自の中綿シートを採用しているため、繊維間に空気を蓄え、保温性を発揮してくれます。

また、ストレッチ性にも優れているため、行動着として着てもストレスなく動くことができます。さらに、透湿性も備えているため、ベースレイヤーが吸ってくれた汗を体外に放出してくれ、汗冷えを防ぎます。

綿の封入量が多い「サーマラップパーカ」もラインナップされているので、寒がりな方、厳冬期登山を考えられている方はそちらもオススメです。

出典:モンベル(モンベル | オンラインショップ | U.L.サーマラップ パーカ Women’s (montbell.jp))

アウターレイヤー

アウターレイヤーは一番上に羽織るジャケットで、身体を雨や風、雪などから守ってくれるウェアです。レインウェアやアルパインジャケット(ハードシェル)などがこれにあたります。

自然の厳しい環境下で体を守るために、アウターレイヤーには防水性、耐水性はもちろん、ウェア内の蒸れを外に放出してくれる透湿性が求められます。

アウターレイヤーを選ぶときは、「耐水圧」と「透湿度」の2つの値に注目すると良いです。
耐水圧は、生地の耐水性を表す値で、水分が生地を通過させないようにする機能を示します。例えば、耐水圧10,000mmであれば、生地の上に1cm四方の柱を立て、その中に水を入れていった場合、10,000mm=10mの高さになった水の圧力に耐えられるということです。
アウターレイヤーであれば、耐水圧10,000mm以上あると良いでしょう。

次に「透湿性」は、ウェア内の蒸れを外部に放出してくれる機能を示す値で、1㎡の生地が24時間に何gの水分量を放出したかを測定します。測定方法としては、A-1とB-1の2種類がありますが、B-1の値を公表しているメーカーが多数です。この値が大きければ大きいほど、透湿性は高くなります。

アウターレイヤーのおすすめ商品

mont-bell レイントレッカージャケット

モンベルのレイントレッカージャケットは、モンベル独自の透湿防水素材「ドライテック」を使用した軽量レインウェアです。耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hrsというレインウェアに必要なスペックは保ちつつ、細部に至るまで軽量化を追求し、動きやすさにもこだわった、モンベルの”Function is Beauty”を体現したモデルなのです。

また、レインウェアだけでなく、ウィンドブレーカーとしても使用できるので、U.Lスタイルの登山をする方にもオススメのモデルです。

出典:モンベル(モンベル | オンラインショップ | レイントレッカー ジャケット Men’s (montbell.jp))

The North Face オールマウンテンジャケット

Gore-tex C-Knitバッカーを採用した3層のオールウェザージャケットです。マイクロトリコットを使用した裏地がしなやかな着心地を実現し、アウターレイヤーのジャケット独特の硬さを軽減してくれています。
カラーバリエーション豊富で、街着として使えるのも嬉しいですね。

レイヤリングをマスターして山を楽しみましょう!

最後に、レイヤリングの方法を改めてまとめておきます。肌に近い順から、
①ベースレイヤー(肌着+Tシャツや山シャツ)
②ミッドレイヤー (ウィンドブレーカー、フリース、インサレーション/ダウンジャケットなど)
③アウターレイヤー (レインウェア、アルパインウェアなど)
です!

レイヤリングをマスターして、快適に登山を楽しみましょう!
次回の記事では、標高別・季節別のレイヤリングの具体例を解説します。

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